ホンダ N-BOXシリーズは、2011年の初代モデル(JF1/JF2)登場以来、日本の軽自動車市場を牽引し続ける大ヒットモデルです。その人気の秘密は、軽自動車とは思えない広大な室内空間、優れた燃費性能、そして先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」にあります。しかし、どれだけ人気の車種であっても、機械である以上、故障のリスクはゼロではありません。
この記事では、N-BOXのオーナーやこれから購入を検討している方々が安心してカーライフを送れるよう、N-BOXで報告されている一般的な故障事例から、リコール情報、そして故障を未然に防ぐためのメンテナンス方法までを網羅的に解説します。さらに、購入を検討している方向けに、N-BOXの長所・短所、そして長期間使用する上での注意点についても深掘りしていきます。
正しい知識を身につけ、適切な対策を講じることで、N-BOXとのカーライフをより長く、より快適なものにしましょう。
N-BOXの一般的な故障(原因)・リコール事例

N-BOXは信頼性の高い車ですが、多くの台数が走行しているため、いくつかの典型的な故障事例が報告されています。ここでは代表的な5つのトラブルについて、その原因と対策、修理費用の目安を詳しく見ていきましょう。
N-BOXの燃料ポンプの不具合
燃料ポンプは、燃料タンクからエンジンへガソリンを圧送する重要な部品です。この部品に不具合が生じると、エンジン性能に直接的な影響が出ます。
症状
- エンジンが始動しない、またはかかりにくい
- 走行中に突然エンジンが停止する
- 加速時に息つきや力不足を感じる
- 走行中に「ウィーン」という異音が聞こえる
原因 燃料ポンプの不具合は、内部のモーターやインペラ(羽根車)の摩耗・故障が主な原因です。特に、2018年〜2019年に生産された一部のN-BOXでは、燃料ポンプのインペラの樹脂密度が低いために変形し、ポンプケースと接触して作動不良に陥る可能性があるとして、大規模なリコールが届け出られています。
対策と修理費用 リコール対象となっている場合は、ホンダのディーラーで無償にて対策品への交換が受けられます。ご自身の車が対象かどうかは、ホンダの公式サイトや国土交通省の自動車リコール情報検索で車台番号を入力して確認しましょう。
リコール対象外の車両で同様の症状が出た場合、燃料ポンプの交換が必要になります。費用は、ディーラーや整備工場によって異なりますが、部品代と工賃を合わせて50,000円〜80,000円程度が目安となります。エンジン不動などの深刻なトラブルにつながる前に、前兆を感じたら速やかに点検を受けることが重要です。
N-BOXのミッショントラブル
N-BOXには、スムーズな加速と低燃費を両立するCVT(無段変速機)が搭載されています。しかし、このCVTも走行距離や経年によってトラブルが発生することがあります。
症状
- 発進時や低速走行時に「ガガガ」「ジャダー」といった振動や異音が発生する
- 変速ショックが大きくなる
- アクセルを踏んでもスムーズに加速しない
- Dレンジに入れてもクリープ現象が弱い、または発生しない
原因 主な原因は、CVTフルード(CVT内の作動油)の劣化や汚れです。CVTフルードは、潤滑だけでなく、プーリーとベルト間の動力伝達も担っているため、劣化すると性能が著しく低下します。また、初期モデル(特にJF1型)では、CVT内部のドリブンプーリーベアリングの耐久性不足による異音発生が報告されており、保証期間が延長される措置が取られています。
対策と修理費用 最も効果的な予防策は、定期的なCVTフルードの交換です。ホンダは「40,000km毎」の交換を推奨しています。交換費用は10,000円〜20,000円程度です。
すでにジャダーや異音が発生している場合、CVTフルードの交換で改善することもありますが、内部部品が摩耗・損傷している場合は、CVT本体の交換(アッセンブリー交換)が必要になることもあります。その場合の費用は非常に高額で、リビルト品(再生部品)を使用しても200,000円以上、新品であればさらに高くなる可能性があります。
N-BOXのエアコン不具合
特に夏場に欠かせないエアコンの不具合は、快適性を大きく損ないます。
症状
- エアコンのスイッチを入れても冷たい風が出ない(ぬるい風しか出ない)
- 風量が弱い、または全く風が出ない
- 作動させると「カラカラ」「ウィーン」などの異音がする
- エアコン吹き出し口から嫌な臭いがする
原因 エアコンの不具合は、原因が多岐にわたります。
- 冷媒(エアコンガス)不足: 最も多い原因の一つ。配管の継ぎ目やコンプレッサーなどからガスが微量に漏れ、冷却能力が低下します。
- コンプレッサーの故障: 冷媒を圧縮する心臓部。故障すると冷たい風が全く作れなくなります。
- ブロアファンモーターの故障: 室内へ風を送るモーター。故障すると風自体が出てこなくなります。
- コンデンサーの冷却不足: ラジエーターの前にある熱交換器。汚れやフィン潰れで冷却効率が落ちると、冷えが悪くなります。
- エバポレーターの汚れ・カビ: 室内側の熱交換器。湿気が多いためカビが発生しやすく、悪臭の原因になります。
対策と修理費用 定期的なエアコンフィルターの交換(1年または15,000km毎推奨)は、悪臭予防や風量維持に効果的です。
修理費用は原因によって大きく異なります。
- ガス補充: 5,000円〜10,000円
- ブロアファンモーター交換: 20,000円〜40,000円
- コンプレッサー交換: 80,000円〜150,000円
- エアコンサイクル洗浄(詰まりなど): 高額になる可能性あり(20万円以上も)
冷えが悪いと感じたら、まずは専門の工場でガスの量や漏れの点検をしてもらうのが良いでしょう。
N-BOXのパワーウィンドウの故障
日常的に使用するパワーウィンドウも、故障しやすい箇所の一つです。
症状
- スイッチを操作しても窓が動かない
- 窓の動きが遅い、または途中で止まる
- 作動時に「ガリガリ」「ギーギー」といった異音がする
- スイッチを押した方向と逆に動くことがある
原因
- パワーウィンドウモーターの故障: 窓を上下させるモーター自体の寿命や故障です。
- ウィンドウレギュレーターの故障: モーターの力をガラスに伝えるアームやワイヤー部分の破損・変形です。
- スイッチの接触不良・故障: 最も操作する部分のため、内部の接点が摩耗・破損することがあります。
対策と修理費用 予防は難しいですが、窓の動きに違和感を覚えたら早めに点検することが重要です。無理に動かし続けると、他の部品にもダメージが及ぶ可能性があります。
修理費用は以下の通りです。
- スイッチ交換: 10,000円〜20,000円
- モーター交換: 25,000円〜40,000円
- レギュレーター交換: 25,000円〜45,000円
多くの場合、モーターとレギュレーターは一体で交換されることが多く、その場合の費用は30,000円〜50,000円程度が目安となります。
N-BOXの警告灯(故障)に関する原因と問題
車のダッシュボードに表示される警告灯は、車両の状態を知らせる重要なサインです。これらのライトは、エンジンの問題からブレーキシステムの異常まで、さまざまな不具合を教えてくれます。警告灯の色によって緊急度が異なり、赤色は「危険」、黄色(オレンジ色)は「注意」、緑色や青色は「正常な動作」を示します。
1. エンジン警告灯 (PGM-FI警告灯)
- 意味: この警告灯は、エンジンを制御するシステムや、関連するセンサーに異常がある場合に点灯します。
- 緊急度と対処法: 高いです。点灯した場合は、走行に支障がなくても、できるだけ早くディーラーや整備工場で点検を受ける必要があります。放置すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
2. 充電警告灯 (バッテリー警告灯)
- 意味: バッテリーを充電するシステム(オルタネーターなど)に問題があることを示しています。
- 緊急度と対処法: 緊急です。これが点いたまま走り続けると、バッテリーが上がってしまい、突然エンジンが止まる危険があります。すぐに安全な場所に車を停めて、ロードサービスに連絡してください。
3. 油圧警告灯 (オイルランプ)
- 意味: エンジンオイルの圧力が低くなっている状態を示しています。
- 緊急度と対処法: 緊急です。この警告灯が点灯したら、直ちにエンジンを停止してください。 このまま走行を続けると、エンジンが焼き付くなど、取り返しのつかない重大な故障につながります。安全な場所に車を停めて、すぐにロードサービスを呼びましょう。
4. ABS警告灯
- 意味: アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)に異常があることを示しています。
- 緊急度と対処法: 中程度です。通常のブレーキは機能しますが、急ブレーキをかけた時にタイヤがロックされるのを防ぐABSが機能しません。安全のため、できるだけ早く点検を受けてください。
5. VSA警告灯
- 意味: 車両挙動安定化システム(VSA)に異常があることを示しています。
- 緊急度と対処法: 中程度です。ABSと同様に、車の安定性を保つシステムが機能しません。特に滑りやすい路面での走行は注意が必要です。こちらも早めに点検をしましょう。
車の警告灯が点灯したら、まずは焦らず、上記の情報を参考に落ち着いて対処することが大切です。特に赤色の警告灯は緊急性が高いので、すぐに適切な対応を取りましょう。もし判断に迷う場合は、専門の整備工場やロードサービスに相談することをお勧めします。安全運転のために、日頃から車の状態を気にかけてくださいね。
N-BOXのリコール情報と原因と対策

リコールとは、設計・製造段階での問題が原因で、安全・環境基準に適合しなくなる恐れがある場合に、メーカーがその旨を国に届け出て、対象車両を無償で修理する制度です。N-BOXも過去にいくつかのリコールが届け出られています。
N-BOXのリコール対象モデル一覧
N-BOXは初代から現行モデルに至るまで、複数のリコールが発表されています。ここでは特に影響の大きかったリコールをいくつか紹介します。
N-BOXの主なリコール情報
リコール届出日 | 対象モデル(型式) | 製造期間 | 不具合内容 |
2024年1月31日 | N-BOX, N-WGNなど (JF3, JF4等) | 2018年~2019年 | 燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)の成形条件が不適切なため、燃料によって膨潤して変形することがある。そのため、燃料ポンプ内でインペラがケースと接触して作動不良となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。 |
2025年1月31日 | N-BOX, N-ONEなど (JF1, JF2等) | 2011年~2019年 | **排気ガス再循環装置(EGR)**において、EGRパイプ入口部の形状が不適切なため、特定のエンジン負荷の範囲で排気ガス中の水分が結露し、腐食して錆が発生することがある。そのため、錆がEGRバルブに噛み込み作動不良となり、警告灯点灯や加速不良に至るおそれがある。 |
2025年1月31日 | N-BOX CUSTOM, N-BOX JOY (JF1, JF2) | 2011年~2013年 | **車両挙動安定化制御システム(VSA)**のプログラムが不適切。エンジン始動直後の低速走行時にブレーキ倍力装置への負圧供給が低下し、ブレーキペダルの操作力が増大するおそれがある。 |
2019年2月1日 (保証期間延長) | N-BOX, N-WGNなど (JF1, JF2等) | 2011年~2017年 | **無段変速機(CVT)**内部のドリブンプーリーベアリングの耐久性が不足しており、ベアリングが損傷して異音が発生することがある。 |
※上記は代表例です。ご自身の車両がリコール対象かどうかを正確に確認するには、Hondaの公式ウェブサイトのリコール情報ページで車台番号を入力するのが最も確実です。
N-BOXのリコール(故障)内容の詳細
燃料ポンプリコール: これは非常に多くのホンダ車が対象となった大規模リコールです。燃料ポンプが停止すると走行中にエンジンが止まるという、安全性に直結する重大な不具合です。対象のユーザーにはダイレクトメールで通知が届き、ディーラーで対策品の燃料ポンプに無償交換されます。
EGRリコール: EGRバルブの固着による不具合です。エンジン警告灯の点灯や、加速が鈍くなるといった症状が現れます。対策として、対策品のEGRパイプへの交換と、エンジン制御コンピュータのプログラム書き換えが行われます。
VSAリコール: ブレーキの効きに関する改善対策です。直接的にブレーキが効かなくなるわけではありませんが、ペダル操作力が通常より重くなる可能性があるため、特に運転に不慣れな方は不安を感じるかもしれません。VSAモジュレーターのプログラムを書き換えることで対応します。
N-BOXのリコールに対するユーザーの声
リコールに対するユーザーの反応は様々です。
- 肯定的な声: 「無料で部品を新品に交換してもらえて良かった」「ディーラーの対応が丁寧で安心した」といった、メーカーの真摯な対応を評価する声が多く見られます。
- 否定的な声: 「リコールが多すぎるのではないか」「作業に時間がかかった」「自分の車が対象だと知らなかった」といった不満や不安の声もあります。特に、中古車で購入した場合など、メーカーからの通知が届きにくいケースでは、オーナー自身が情報を確認しにいく必要があります。
リコールはメーカーの責任において行われる重要な安全対策です。通知が来たら速やかに対応し、もし通知が来ていなくても、定期的に公式サイトで情報をチェックする習慣をつけることが大切です。
N-BOXの故障を未然に防ぐためのメンテナンス

愛車に長く快適に乗り続けるためには、日頃のメンテナンスが不可欠です。ここでは、故障を予防するためのメンテナンスのポイントを解説します。
定期点検の重要性
法律で定められた12ヶ月点検や24ヶ月点検(車検)は、車の健康診断です。プロの目で普段見ることのできない箇所まで点検してもらうことで、トラブルの早期発見につながります。
- 12ヶ月点検: エンジン、ブレーキ、足回りなどの基本性能に関わる部分を中心に点検します。
- 車検 (24ヶ月点検): 12ヶ月点検の項目に加え、さらに広範囲な項目を点検し、国の保安基準に適合しているかを確認します。
これらの定期点検をディーラーや信頼できる整備工場で受けることで、部品の劣化や摩耗を適切なタイミングで把握し、大きな故障に発展する前に対処することができます。
ユーザーが気を付けるべきポイント
プロに任せる点検だけでなく、ドライバー自身が日常的に気を付けるべきポイントもあります。
- 運転中の「いつもと違う」に気づく: 異音、異臭、振動、警告灯の点灯など、普段と違うサインを感じたら、すぐに点検を検討しましょう。
- エンジンオイルの管理: エンジンオイルはエンジンの血液です。定期的な交換を怠ると、燃費の悪化、パワーダウン、そして最悪の場合はエンジンの焼き付きにつながります。
- タイヤの空気圧: 空気圧が不適切だと、燃費の悪化、偏摩耗、走行安定性の低下を招きます。月に一度はガソリンスタンドなどでチェックしましょう。
- 急のつく運転を避ける: 急発進、急加速、急ブレーキは、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、タイヤなど、あらゆる部品に負担をかけ、寿命を縮める原因となります。
自己メンテナンスの方法
専門的な知識がなくても、ユーザー自身でできる簡単なメンテナンスもあります。
N-BOXのメンテナンススケジュールと費用の目安
メンテナンス項目 | 交換/点検の目安 | 費用の目安(部品代+工賃) |
エンジンオイル | 5,000kmまたは半年ごと | 4,000円~7,000円 |
オイルフィルター | オイル交換2回に1回 | 1,500円~3,000円(オイル交換工賃に含む場合が多い) |
CVTフルード | 40,000kmごと | 10,000円~20,000円 |
ブレーキフルード | 車検ごと(2年ごと) | 5,000円~10,000円 |
タイヤ | 4~5年または30,000km~40,000km | 30,000円~60,000円(4本) |
バッテリー | 3~5年 | 10,000円~30,000円(アイドリングストップ車用は高価) |
エアフィルター | 40,000kmごと | 3,000円~5,000円 |
エアコンフィルター | 1年または15,000kmごと | 3,000円~6,000円 |
ワイパーゴム | 1年ごと | 2,000円~4,000円(前後) |
DIY可能なメンテナンス:
- ウォッシャー液の補充: ボンネットを開け、タンクに補充するだけです。
- タイヤ空気圧のチェック: ガソリンスタンドの空気入れを使えば簡単にできます。
- ワイパーゴムの交換: 少しコツはいりますが、カー用品店で購入して自分で交換することも可能です。
- 簡単な洗車と清掃: ボディや室内を清潔に保つことは、塗装の保護やカビ防止につながります。
これらの簡単なメンテナンスを自分で行うことで、車への愛着が深まるだけでなく、異常の早期発見にもつながります。
N-BOXの故障やリコールを踏まえて購入を考える人へ

ここまでN-BOXの故障について解説してきましたが、それを踏まえて購入を検討している方へのアドバイスを送ります。
N-BOXを買ってはいけない理由?
インターネット上では「N-BOX 買ってはいけない」といったキーワードが見られます。これは、N-BOXに何か致命的な欠陥があるというよりは、以下のようなデメリットや注意点を指していることが多いです。
- 価格が軽自動車としては高め: 広大な室内空間や先進安全装備を備える分、車両価格は他の軽自動車よりも高めに設定されています。オプションを追加すると、コンパクトカーが購入できる価格帯になることもあります。
- 燃費性能: 車重が重いため、同世代の軽量なハイトワゴン(スズキ ワゴンRなど)と比較すると、カタログ燃費で若干劣る場合があります。ただし、実用燃費では大きな差はないという意見も多いです。
- 特定の年式のトラブルリスク: 初代モデル(JF1/JF2)の初期型では、前述のCVTの異音や、その他の初期不良が比較的多く報告されていました。中古車で購入する際は、年式や走行距離、メンテナンス履歴をしっかり確認することが重要です。
- 走行性能: スーパーハイトワゴンの宿命として、全高が高いため横風の影響を受けやすく、カーブでのロール(車体の傾き)も大きめに感じることがあります。高速走行や山道を多用するユーザーは、一度試乗して確認することをおすすめします。
これらの点は、N-BOXが持つ優れたユーティリティとのトレードオフの関係にあります。自分の使い方や価値観と照らし合わせて、これらのデメリットが許容できるかを判断することが大切です。
実際のユーザー評価と体験談
N-BOXは、そのデメリットを補って余りあるメリットから、多くのユーザーに高く評価されています。
ユーザー評価の傾向(メリット・デメリット)
メリット(多くのユーザーが評価する点) | デメリット(一部のユーザーが指摘する点) | |
室内空間 | 圧倒的な広さ。後席も足元が広く快適。シートアレンジも多彩で荷物もたくさん積める。 | 収納スペースが思ったより少ないという声も。 |
運転のしやすさ | 見晴らしが良く視界が広い。車両感覚がつかみやすい。小回りが利く。 | ピラーが太く、右左折時に死角があると感じる人も。 |
乗り心地・静粛性 | 軽自動車としては非常に静かで乗り心地が良い。 | 背が高いためロールが大きい。路面の凹凸を拾いやすいと感じる場合も。 |
走行性能 | NA(ノンターボ)でも街乗りでは十分。ターボ車は高速でもストレスなく走れる。 | NA車は坂道や多人数乗車時に力不足を感じる。 |
デザイン | シンプルで飽きのこないデザイン。カスタムは精悍で人気。 | ノーマルモデルは地味に感じる人も。 |
体験談の要約: 「子育て世代にはスライドドアと室内の広さが本当に便利。ベビーカーも楽々積める」「軽とは思えない質感の高さと静かさに驚いた。長距離も疲れない」「ターボモデルにして正解。高速の合流もスムーズで、普通車から乗り換えても不満はない」「燃費は期待したほどではなかったが、使い勝手を考えれば満足」といった声が多く、総じて満足度は非常に高い車種と言えます。
N-BOXの長期間使用における注意点
N-BOXと長く付き合っていくためには、以下の点に注意しましょう。
- CVTフルードの定期交換: N-BOXの生命線とも言えるCVTを長持ちさせるため、40,000km毎のフルード交換は必ず行いましょう。
- 足回りの消耗: 車重があるため、走行距離が10万kmを超えてくると、ショックアブソーバーやサスペンションのブッシュ類がへたってきます。乗り心地が悪化したり、異音がしたりする場合は点検・交換を検討しましょう。
- 電装系のトラブル: スライドドアやパワーウィンドウなど、電動部品が多いのもN-BOXの特徴です。これらのモーター類は消耗品であり、いずれ寿命が来ます。作動に違和感があれば早めの点検が吉です。
- 中古車選びのポイント:
- メンテナンスノートの確認: 定期点検やオイル交換がしっかり行われていたかを確認します。
- リコール対応履歴の確認: 重要なリコールが未対応でないか、ディーラーで確認してもらうと安心です。
- 試乗: 発進時のジャダーや異音、エアコンの効き、パワーウィンドウの動作など、この記事で挙げた故障事例のポイントを実際にチェックしましょう。
N-BOXの故障・リコールのまとめ
ホンダ N-BOXは、多くのユーザーから支持される優れた軽自動車ですが、長く乗り続けるためには、その特性や起こりうる故障について正しく理解しておくことが重要です。
- 一般的な故障には、燃料ポンプ、CVT、エアコン、パワーウィンドウなどがあり、それぞれに特徴的な症状と原因があります。
- リコール情報は車の安全性に関わる重要な情報です。オーナーは自身の車が対象でないか定期的に確認する責任があります。
- 日々のメンテナンスと定期点検が、大きな故障を防ぎ、車の寿命を延ばす鍵となります。特にエンジンオイルとCVTフルードの管理は重要です。
- 購入を検討する際は、価格や燃費といったデメリットも理解した上で、自身のライフスタイルに合っているかを判断することが賢明です。
この記事が、N-BOXのオーナーおよび購入検討者の皆様にとって、安心で快適なカーライフを送るための一助となれば幸いです。車の声に耳を傾け、適切なメンテナンスを心がけることで、N-BOXはきっとあなたの最高のパートナーとなってくれるでしょう。